マーカーを使いたくなる心理


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電車に乗っていると、高校生が単語帳や教科書を開いて熱心に勉強している光景を見かけます。

電車で移動中の時間を勉強に活用しようという心がけは大変素晴らしいです。特に部活動に所属している高校生は忙しいでしょうから、こうした細切れの時間を大事にしたいものです。

ただ、様子を見ていて少し気になることもあります。

1つ目は、先日書いたながら勉強です。音楽を聴きながら覚えようとしているのは果たしてどれだけ効果があるのだろうかと思います。

2つ目は、遠目で見てもはっきり分かるくらい単語帳や教科書にびっしりとマーカーやラインが引かれている点です。これは実際に指導していても感じますが、勉強していてすぐにマーカーやラインを引きたがる子は非常に多いです(特に女子)。大人にも、そうやって勉強している人はいますよね。

そもそも、マーカーで印をつけたりラインを引いたり囲ったりするのは何のためでしょうか。恐らく「ここは重要」という所に引いているのだと思いますが、教科書や単語帳に「重要でない部分」なんてあるのでしょうか。最近の教科書は特に重要な用語は必ず太字になっていますが、それ以外は勉強する必要がない、というわけではありません。単語帳や参考書にしても、著者や編集者が重要だと思うものを厳選して載せているはずです。

推測ですが、すぐマーカーを使いたくなる人は不安なんだと思います。「これは何となく重要な気がする。でも今すぐには覚えられる自信がないから、せめて印をつけておいて後でまとめて覚えよう」ということではないでしょうか。書かれていることをよく考えて理解することが大事なのに、それをとりあえず先送りしようという心理がマーカーの習慣につながるんだと思います。マーカーやラインだらけの教科書や参考書を持っている子ほど、実は内容を覚えていないという例をこれまで何度も見てきました。

大学通信教育課程卒業から東大准教授という異色の経歴を持つ柳川範之さんは、著書『独学という道もある』の中でマーカーを使った勉強についてこのように述べています。

「マーカーを引いてしまうと、ここは重要だからあとで読み返せばいいやというように、安心感が出てきてしまいます。引かないと、あとから振り返っても、またイチから読まないとよくわからないという不安感があって、それが逆にしっかりと読むというやり方をさせる結果になりました」


私も全く同意見です。マーカーやラインを引きながら勉強しても頭には入らないでしょう、マーカーやラインを引かず、書かれていることを理解して覚えることに意識を集中すべきです。そして、何か特別な判断材料を持たない限り、書かれていることは基本的に全て重要だと考えた方が良いでしょう。

それにしても、マーカーを使いなさいなんて指導はどこの誰がしているんでしょうか。マーカー率が増えるのは中学生くらいからでしょうかね。勉強した気にはなるのかもしれませんが・・・。

ちなみに私はマーカーを使う習慣に特に意味がないことに高校生くらいで気付き、それ以降は使っていません。そして、使わなくて正解だったなと今でも思っています。

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